教授からのメッセージ

慶應義塾大学医学部小児科学教室
教室主任

鳴海 覚志
Satoshi Narumi

教室主任:鳴海覚志

慶大小児科専攻医募集サイトをご覧いただきありがとうございます。

私たち慶大小児科は100年の伝統を受け継ぎ、小児医療・小児医学の発展のために切磋琢磨しています。日々の活動で特に大切にしていること・・・それはずばり人材育成です。江戸時代末期、我が国が欧米列強との対峙を余儀なくされた時代、「自ら考え、判断できる人材」の育成を目的とする慶應義塾が誕生しました。私たちの小児科も「人を育てる教室」のマインドが脈々と受け継がれています。

仲間に加わった若手教室員は、少し年上の「お兄さん」「お姉さん」はもちろん、キレッキレの若手指導医からサブスペ学会の重鎮まで多くの「仲間」たちから、様々なインプットが入ります。想像を上回る成長加速体験をお約束します。また、私たちは知識の習得のみにとどまることをよしとせず、実践経験からライブ感ある学びを得ることにも注力しています。キャリア初期から医療の小児医療のフロントラインを守る経験が豊富に得られることで、「熱性けいれん」「川崎病」といったコモンディジーズに対しては、体が自然に動き出すようになります。そしていつの日か、誰かの「お兄さん」「お姉さん」として、小児医療の楽しさ、大変さ、やりがいなどを後輩小児科医に伝える時が来ることでしょう。

慶大小児科が選ばれる理由
1. 多彩なキャリアパス
小児科医にとって小児科専門医取得はゴールではなくスタート地点です。小児科専門医取得後のキャリアパスの多彩さは慶大小児科のもつ最大の魅力かもしれません。心臓、神経、内分泌など臓器系の専門診療を極めたい先生には、サブスペシャリティ専門家の交差点である大学病院や、症例数が豊富な小児病院(東京都立小児総合医療センター、国立成育医療研究センターなど)で研鑽を積むことができます。それ以外にも、ジェネラリストを目指す先生、勤務地重視でキャリアパスを選びたい先生、家庭生活を優先しながらもちゃんとした医療を行いたい先生、海外挑戦したい先生など、様々なキャリアパスを支援してきました。私たちは選択肢が多ければ多いほど、それぞれにあった道を選べると考えています。(さまざまなキャリアパスインタビューへのリンク)
2. 最強の小児人材ネットワーキング
福澤諭吉は人間を信頼して胸襟を開いて話せる寛容さ、年齢での隔てなく闊達に交際できる総合的人間力を重視しました。慶大小児科の教室構成員は、仕事上のチームメイトであるにとどまらず、夢を語り合ったり人生の困難を相談したりでき、長く付き合うことのできる医友(いゆう)です。350名を越える慶大小児科の教室構成員は他大学、小児病院、研究機関、市中病院、クリニック、中央省庁、海外などに在籍しており、そのネットワークは広く強力です。これだけの人的ネットワークを個人努力で構築することは全く不可能ではありませんが、既存のネットワークにつながる方が圧倒的に良コスパです。
3. 東京と近県に多数の関連病院
長年にわたり私学の雄として活躍を続ける慶大には、東京と近県に多数の関連病院があり、それら施設に勤務する教室構成員が多数います。学んだサブスペシャリティを生かした診療を続ける先生、部長から専門診療を学ぶ若手小児科専門医など、そのあり方は様々です。全国的な少子化が進む今後、小児医療の集約化が進むと予想されますが、地域の中核となるだけの規模、施設をもった関連病院を多数擁しています。(関連病院マップへのリンク)
4. 妥協なきワークと充実したライフを両立
私たちの教室はそのスケールメリットを活かし、様々なタイプのライフイベントや家庭事情に対応してきました。例えば、大学の育児支援の仕組みを他科に先駆けて積極的に活用し、診療にあてる時間をセーブしつつも、専門診療を続けて成長を続けた方がいます。この他、常勤医師数の多い市中病院と連携しており、時短勤務や非常勤勤務の先生も多く、地域での乳児健診事業への貢献など、公共性の高い小児医療業務も多数担当しています。小児医療分野も目覚ましく進歩していますが、教室と繋がることで効果的な生涯学習も可能であり、小児医療を真のライフワークとすることができます。
5. 圧倒的な研究力
慶大医学部は世界的な医学研究者、北里柴三郎により創設されており、現在でも基礎と臨床一体の医学・医療をめざすことが謳われています。小児科も高い診療能力と世界水準の研究力の両方を保持しており、留学によらない教室の研究成果としてPediatricsやJournal of Pediatricsといった小児科トップジャーナルでの報告をコンスタントに行っている他、Takenouchi-Kosaki症候群の発見(Am J Med Genet A, 2015)、MIRAGE症候群の発見(Nature Genetics, 2016)など教科書を書き換えるレベルの情報を発信し続けています。診療は目の前の子どもを助けますが、研究は未来の子どもを助けます。世界水準のScientific pediatricianを目指す方、ぜひ仲間に加わっていただきたいと思います。
慶大小児科専攻医プログラムが選ばれる5つの理由
1. ハイブリッド研修
小児疾患の最大の特徴はコモンディジーズからレアディジーズまでの圧倒的なバラエティの豊富さです。市中病院では熱性けいれん、川崎病、ウイルス性気管支炎などなどのコモンディジーズの診療を学ぶことができます。一方、大学病院では先天性心疾患、白血病、稀少難治性疾患の診療が効率的に学べます。慶大小児科の専攻医プログラムは大学6か月+市中病院2年6か月を基本としており、コモンからレアまでをカバーする真の総合性を身につけることができるパッケージとなっています。(3年間スケジュールへのリンク)
2. 多彩なサブスペシャリティ
慶大小児科の特長のひとつは、心臓班、神経班など臓器系のサブスペシャリティ領域を揃えていることに加え、東京都23区内に4か所しか設置されていないPICUを備えており、現代小児科のチーム医療の結晶とも言える集中治療にも注力しています。さらに、30年の歴史を誇る精神保健領域の常勤医が所属し、小児科医に求められるスキルの全てを学ぶことができます。(専門班インタビューへのリンク)
3. ゆるぎない教育の文化とメニュー
ワークライフバランスを充実させながら、成長を最大化するための鍵は学習の効率性にあります。大学病院では専攻医限定のSmall group teachingが毎週開催され、各サブスペシャリティのクリニカルパールを効率よく学べます。また、専門医取得に必要な手技を計画的に学べるようメンター指導医が1 on 1で割り当てられています。また、専門医試験の受験に必要な論文作成の支援も充実しており、英文論文執筆する専攻医も少なくありません。
4. 仲間が多い!
慶大小児科専攻医プログラムは例年10人以上を受け入れており、我が国でも随一の人気プログラムです。我々は「ただ人数がいればいい」などとは考えていません。仲間が多いからこそ、仲間同士の切磋琢磨ができるのです(同期ほど刺激的な教師はいません)。仲間が多いから、様々な役割も分担できます。仲間が多いから、いろいろな価値観やアプローチがあっていい、ということを知ることができます。(医局員出身大学へのリンク)
5. 多様性:出身地域も理想像も様々な仲間たち
慶大小児科専攻医プログラムは全国から様々なバックグラウンドのドクターを受け入れてきました。私たちの仲間には、命を落とした友人のかたきを取るため悪性腫瘍の新規治療法を開発したい人、地域密着型の在宅小児医療を目指している人、子どものメンタルヘルスの問題をなんとかせねばと思っている人、子育てをしっかりやりながらも「ちゃんとした小児医療」を実践できるようアップデートを怠らない人などなど。その理想像は様々です。(さまざまなキャリアパスインタビューへのリンク)
我々のミッション、ビジョン、バリュー
小児科学教室のミッション
私たちは知識・技術・人間性を備えた小児科医を育成し、子どもの健康と幸せに貢献します。
小児科学教室のビジョン Keep Growing
私たちは成長し続けます。
私たちは子どものたち健康と幸せをあきらめません。
小児科学教室のバリュー(行動指針) 5つのC
Clear(科学的・合理的・わかりやすい説明)
私たちは学術としての小児科学に真摯に取り組み、自然科学や小児科のトップジャーナルに情報発信を行っています。流行に囚われず、本質的で効果的な診療へとアップデートを欠かしません。

Colorful(多彩・多様な人材・環境・キャリアパス)
私たちは小児医療の主要領域をカバーしています。プライマリケアから高度なチーム医療まで、多彩で多様な小児医療を学びます。あなたにぴったりのキャリアがきっと見つかります。

Communicative(仲間・連携・ナラティブ)
私たちは仲間が多く、仲良しです。小児外科など他の診療科との連携も極めて良好です。また、患者さん・ご家族としっかりお話しし、患者さん目線の医療を大切にしています。

Coordinated(チームワーク・全人的医療・自律)
私たちはチームとしてのまとまりを重視し、心のケアを含む全人的医療につなげています。同時に、個人としての自律・独立も重視しており、勉強法を学ぶことにも注力しています。

Challenging(挑戦者精神・ユニークさ・世界基準)
私立大学に属する私たちは、新しいことにも柔軟・機敏に挑戦してきました。ユニークな診療・研究・教育を皆で創り上げ、成果を国際的メディアで発信することで世界の小児医療に貢献します。

慶大小児科の専攻医プログラムで3年間学んだ先には何が待っているでしょうか?―――それは単に技術水準で認定された「量産型の小児科専門医」ではなく、人間性と成長力を備え、なりたい自分になってゆくための基礎力を備えた「ライジング・スター小児科医」であって欲しい、と私たちは考えています。ぜひ一緒に学びませんか?

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