診療グループ

神経

メンバー

  • 三橋 隆行 (専任講師)
  • 小川 恵梨 (助教)
  • 大門 尚子 (助教)
  • 下郷 幸子 (非常勤講師)
  • 常松 健一郎(非常勤講師)
  • 沼澤 佑子 (非常勤講師)

対象疾患

けいれん・てんかん、運動発達の遅れ(脳性まひ)、知能発達の遅れ(知的発達症)、母斑症、頭痛・神経痛、 脳腫瘍、遺伝性疾患に伴う脳形成異常、中枢神経系の感染症(脳炎・脳症など)、脳血管障害、末梢神経・筋疾患(筋ジストロフィー、重症筋無力症、脊髄性筋萎縮症など)、注意欠如多動症や自閉スペクトラム症といった神経発達症(発達障害)が主な対象疾患です。また、先天性心疾患・内分泌代謝性疾患・白血病・各種手術後などに合併する神経症状の診断治療については、当科各専門分野の医師や産科・心臓外科・小児外科・脳外科・形成外科・整形外科と密接に連携して診療させていただいています。

内分泌・代謝

メンバー

  • 鳴海  覚志 (教授・小児科診療部長)
  • 長谷川 奉延 (教授 臨床研究推進センター長)
  • 石井  智弘 (准教授・小児科診療副部長)
  • 市橋  洋輔 (助教)
  • 木島  俊英 (助教)
  • 井ノ口 美香子(教授 慶應義塾大学保健管理センター・非常勤講師)
  • 天野  直子 (非常勤講師)
  • 柴田  浩憲 (非常勤講師)
  • 中野  さつき(非常勤講師)

対象疾患

  • 成長に関する疾患(成長障害、低身長、成長ホルモン分泌不全性低身長症、下垂体機能低下症、高身長など)
  • 性および思春期に関する疾患(性分化疾患、性腺機能不全、思春期早発症、思春期遅発症、原発性無月経など)
  • 外陰部の異常(ミクロペニスまたは小陰茎、停留精巣、尿道下裂、陰核肥大、膣口欠損など)
  • 性染色体異常症(ターナー症候群、クラインフェルター症候群など)
  • 副腎疾患(先天性副腎過形成症、副腎低形成、クッシング症候群など)
  • 甲状腺疾患(先天性甲状腺機能低下症、バセドウ病、橋本病など)
  • 尿崩症、骨系統疾患(軟骨異栄養症あるいは軟骨無形成症、軟骨低形成症、脊椎骨端異形成症、骨形成不全症など)
  • カルシウム代謝異常症(くる病、副甲状腺機能低下症など)
  • 尿細管機能異常(バーター症候群など)
  • 先天性代謝異常症(フェニルケトン尿症、その他の新生児マス・スクリーニング関連疾患など)
  • 糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病など)
  • 小児生活習慣病(脂質異常症、肥満など)
  • その他の疾患(プラダー・ウィリ症候群、ヌーナン症候群、マッキューン・オルブライト症候群、シルバー・ラッセル症候群など)

登録患者数は10,000人を越え、毎週全国各地から新患患者の受診があります。

性腺機能不全の早期診断

多様な性腺機能不全症を乳幼児期に早期診断・治療する包括医療システムです。わが国唯一の高度先進医療として厚生労働省の承認を受けていました。 性の決定・分化に関与する遺伝子解析、尿ステロイドプロフィルによる性ホルモンの一括分泌動態評価等の先進技術により、性分化疾患、原発性無月経、ミクロペニスまたは小陰茎、停留精巣、尿道下裂、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、の原因検査および治療を行っています。

副腎ホルモン産生異常に関する調査研究

様々な副腎ホルモン産生異常症の診療実態を把握し、診断基準・診療ガイドラインを作成・検証・改訂してます。この研究は厚生労働省の難治性疾患政策研究事業の一環として行っています。内分泌・代謝グループの長谷川奉延が研究代表者です。

先天性副腎過形成症(21-水酸化酵素欠損症、先天性リポイド副腎過形成症、P450オキシドリダクターゼ欠損症など)、副腎低形成(IMAGe症候群、MIRAGE症候群など)、クッシング症候群、原発性アルドステロン症などの診断、治療のみならず、診療の質を上げるための調査などを実施しています。

成長ホルモン治療

成長ホルモン分泌不全性低身長症、SGA性低身長症、ターナー症候群、軟骨異栄養症あるいは軟骨無形成症・軟骨低形成症、プラダ−・ウィリ症候群、ヌーナン症候群に対する成長ホルモン治療に関し豊富な治療経験があります。

患者さんとご家族のかたへ

  1. 診断および治療のみならず心理社会的なサポートも含めた全人的医療を行う
  2. 小児外科、小児泌尿器科、産婦人科等と連携したチーム医療を行う
  3. 成人期まで視野に入れた移行期医療・成育医療を行う

以上3点を念頭において国内最先端の医療を提供することを心がけています。

臨床遺伝

メンバー

  • 小崎健次郎 (臨床遺伝学センター 教授)
  • 山田茉未子 (臨床遺伝学センター 専任講師)

対象疾患

多臓器にわたる複数の疾患を持つ患者さんで遺伝性疾患が想起される方の診断および遺伝カウンセリングを実施しています。 遺伝性疾患全般(5,000以上の疾患について遺伝学的検査が可能)/染色体異常症/先天異常症候群/診断不明等

患者さんとご家族のかたへ

当施設は診断のつかない患者さんに対して、遺伝子解析を元に診断をつけることを目指す国のプロジェクト「未診断疾患イニシアチブ」の拠点施設となっています。発達遅滞や複数の臓器の症状などを抱えていて、原疾患の診断がつかずにいる方に対して、診察を行ったうえで、必要に応じて遺伝学的アプローチによる診断を目指しています。また、遺伝カウンセリングも家族の状況に応じて行っています。患者さんの状態によっては、慶應病院の他部門とも密接な連携を図り、患者さんおよびご家族の健康管理を支える医療を提供しております。

関連情報

精神保健

メンバー

  • 鴇田 夏子 (助教)
  • 中村 俊一郎(助教)
  • 馬場 徹人 (助教)

対象疾患

小児心身症

摂食障害(拒食症、過食症)、起立性調節性障害、心因性頻尿、心因性嘔吐、心因性頭痛 心的外傷後ストレス障害(PTSD)など

愛着障害、虐待

子育て相談、親子の愛着障害、虐待に関する問題

リエゾン

病気を持つ子ども、きょうだい、家族の支援

発達神経症

自閉症スペクトラム障害(ASD)・注意欠陥多動症(ADHD)など

 脳の機能、親子の関係性・学校を含めた社会との関わりの中で生まれたストレスから生じる心と体の問題を解決します。 お子さん・ご家族の強みと課題、その両方にスポットライトを当て、小児科医としての治療と支援を行なっています。

  • ※1.原則として、初診は中学生までとしています
  • ※2. 親御さんとも面接を行いますが、お子さん、親御さん、それぞれのプライバシーを守るため、親御さんにもカルテを作成していただきます
  • ※3. 慶應義塾大学病院には思春期病棟、児童精神科病棟はないため、自傷他害・希死念慮があるお子さんの診療は行えません

子どものこころ専門医研修・小児科専攻医研修について

慶應義塾大学医学部小児科は子どものこころ専門医の研修施設として、子どものメンタルヘルスの未来を担う医師の育成に力を入れています。

現在の課題

日本では子どもの自殺やメンタルヘルスの課題が依然として深刻な状況にあります。一方で専門的な治療を行える医師が不足しており、治療を受けたいと思っても、受診ができていない、という現状があります。

慶應義塾大学医学部小児科 精神保健班としての取り組み

私たちは、一人でも多くのお子さんやご家族が、子どものこころ専門医・子どものメンタルヘルスに関わる小児科医の治療を受けられるよう努めています。

腎臓

メンバー

  • 井口智洋(助教)
  • 松村和哉(非常勤)
  • 幡谷浩史(非常勤)

対象疾患

白尿・血尿などの学校検尿異常、急性/慢性糸球体腎炎、 ネフローゼ症候群、急性腎不全(AKI)、慢性腎不全(CKD)、 先天腎尿路異常(水腎症,膀胱尿管逆流ほか)、 閉塞性腎症、 嚢胞性疾患、 尿路感染症、結石、 糖尿病性腎症、 尿細管疾患、 高血圧、 夜尿症(おねしょ)、遺尿症(おもらし)、他の身体疾患(心疾患、血液疾患など)に合併した水・電解質異常の管理を行っています。 慢性糸球体腎炎の治療(漢方薬治療を含む)、腎不全の進行防止のための食事療法、薬物療法を積極的に行っています。登録患者数は1,200余名です。

患者さんとご家族のかたへ

入院は精査のための腎生検、ステロイドや免疫抑制薬による治療を導入が主体です。腎機能や高血圧の評価・管理など、必要に応じて他の診療班と連携して診療にあたります。

検尿異常や検査値異常などで当院に紹介された場合には、可能な検査を外来で進めます。治療が必要なレベルの異常と判断した場合、入院での腎生検などをおこないます。

特殊検査

携帯型血圧計を用いた24時間血圧モニタリング、腎生検

特殊治療

児泌尿器科と連携したチーム医療を行っています。

新生児

メンバー

  • 飛彈 麻里子(准教授))
  • 有光 威志 (専任講師))
  • 原  香織 (助教))
  • 玉岡 哲  (助教))
  • 森澤 和美 (助教))
  • 太田 昌志 (助教)

対象疾患

早産児、母親に合併症のある場合、胎児超音波で異常の認められた新生児を中心に、当院産科と協調した周産期医療を行っています。

患者さんとご家族のかたへ

入私たちの施設は日本周産期・新生児医学会 周産期専門医制度(新生児専門医)の基幹研修施設です。
NICU 9床、GCU 18床の中規模な新生児病棟です。2006年10月出生の妊娠25 週265 gの児(2007年4月退院)、1999年6月出生の妊娠23週289 g の児(2000年3月退院)、2010年10月出生の妊娠26週289 g(2011年6月退院)、2018年8月出生の妊娠24週268g(2019年2月退院)と出生体重の小さな児を救命しています。

御興味のある方は、The Tinest Babiesのサイトを御覧下さい。

教室内の内分泌・代謝、感染・免疫、循環器、腎、精神保健、神経、血液・腫瘍、呼吸器、遺伝・奇形の各分野の専門医のみならず産科、小児外科、心臓外科、眼科、耳鼻咽喉科、形成外科、整形外科、麻酔科などとの総合的なチーム医療を行い、様々な疾患に対応しています。また、退院後の精神運動発達のフォローアップを目的として、フォローアップ外来(新生児外来)、乳児健診を行っており、児の状態によっては様々な専門医と協力して診療しております。 NICUの関連教育施設には、東京都立小児総合医療センター 、さいたま市立病院、川崎市立川崎病院、横浜市立市民病院などがあります。

心臓

メンバー

  • 小柳 喬幸(助教)
  • 住友 直文(専任講師)
  • 井上 忠 (大学院生)
  • 丸山 篤志(助教)
  • 福山 隆博(助教)
  • 福島 裕之(客員教授・非常勤講師)
  • 山岸 敬幸(客員教授・非常勤講師)
  • 前田 潤 (非常勤講師)
  • 土橋 隆俊(非常勤講師)
  • 古道 一樹(非常勤講師)
  • 柴田 映道(非常勤講師)

対象疾患

小児循環器一般、成人先天性心疾患

患者さんとご家族のかたへ

大学病院・総合病院である利点を生かし、胎児期から成人期まで、幅広い年齢層での管理を行っております。成人先天性心疾患患者の移行期医療では、循環器内科の成人先天性心疾患部門の先生と協力し、非常にスムーズな移行が行えています。心疾患患者の新生児医療、周術期管理では、同じフロアにあるNICUやPICU部門と協力し良好な成績を得ています。

当院小児科病棟では、お預かり、付き添いのいずれの入院形態も可能で、ご家族のニーズにできるだけ対応できるように体制を整えております。

診療では、複雑型心疾患診療や、カテーテルインターベンションを行っています。心房中隔欠損症、動脈管開存症のほか、最近ではファロー四徴症術後などの重症肺動脈弁逆流症の患者さんに対して、経皮的肺動脈弁留置術(Harmony弁)を行っております。また、フォンタン術後などの合併症として知られる難治性のタンパク漏出性胃腸症に対する経皮的リンパ瘻塞栓術は本邦で行っている数少ない施設であり、一定の成績を得ています。

手術では、小児心臓外科部門により、シンプルな症例から複雑な症例まで幅広く対応していますが、心房中隔欠損症では右腋窩切開法を用いた方法でのアプローチを行っており、胸部正中に傷が残らないことから、患者様に喜ばれております。

血液・腫瘍

メンバー

  • 山﨑 文登 (助教)
  • 伊藤 淳平 (助教)
  • 石川 貴大 (助教)
  • 市川 やよい(助教)
  • 鳴釜 里彩子(助教)
  • 嶋田 博之 (非常勤講師)

対象疾患

白血病、リンパ腫、神経芽腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、ユーイング肉腫、肝芽腫などの小児がん 血友病、再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病などの血液疾患

患者さんとご家族のかたへ

造血幹細胞移植・CAR-T細胞療法を代表とする高度医療と患児の生存の質を重視した人間的医療との両立を目指しています。 日本小児がん研究グループ(JCCG)日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)東京小児がん研究グループ(TCCSG)などの多施設共同臨床研究に参加しています。

呼吸器

メンバー

  • 玉井 直敬(助教)
  • 肥沼 悟郎(非常勤講師)
  • 小林 久人(非常勤講師)

対象疾患

小児呼吸器疾患全般、長引く咳・鼻汁、先天性喘鳴、喉頭軟化症、副鼻腔炎、アデノイド増殖症(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)、声門下狭窄、咽頭の協調運動不全(誤嚥)、喘息、反復性/慢性気管支炎、反復性肺炎、気管狭窄・軟化症、気管支狭窄・軟化症、気管支分岐異常、嚢胞性肺疾患、気道異物、慢性呼吸不全(慢性肺疾患、神経筋疾患などによる)

患者さんとご家族のかたへ

小児呼吸器領域ではあまり行われていない内視鏡検査を積極的に取り入れ、喉頭部を含めた気道形態異常の診断・治療に用いて成果を上げています。

感染症

メンバー

  • 新庄  正宜 (専任講師)
  • 古市  宗弘 (助教)
  • 大西  卓磨 (非常勤講師)
  • 八木沼 瑞紀(大学院生)

対象疾患

小児感染症一般、重症感染症 免疫抑制状態の感染症(固形臓器移植後、造血幹細胞移植後を含む) 先天性感染症、新生児感染症など ※感染症診療のみならず、抗菌薬適正使用の推進や流行性疾患の院内発症予防のため、小児病棟に入室する患者さんに対して、幅広い科からの相談を受け入れています。

患者さんとご家族のかたへ

外来では、感染症患者のフォローアップ、臓器移植患者に対する予防接種を行います。また、病棟では感染症を原因とする様々な疾患に対して、小児科のみならず院内の多数の科と連携しチームで診療にあたります。当院で行われる小腸移植・肝移植(小児外科、一般消化器外科)、造血幹細胞移植(小児科血液班)など特殊な状態における感染症の予防と治療についても、個々の状態に合わせた適切な対応を心がけています。加えて、感染制御部と協力して、新型コロナウイルス感染症、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘などの流行性疾患の院内発症防止に努めています。

外来総合診療

メンバー

  • 関口  進一郎(非常勤講師)
  • 木実谷 貴久 (非常勤講師)

対象疾患

夜尿症、昼間尿失禁、便秘症、発達や育児の相談

患者さんとご家族のかたへ

夜尿症、昼間尿失禁、便秘症、便失禁などの子どもたちの診療に力を入れています。その他、日常的な健康問題(湿疹、喘息、花粉症など)や予防接種、育児など様々な健康問題の相談窓口としての役割を担っています。ひとりの担当医が継続して診療しながら、子どもたちの成長と発達、兄弟や保護者を含めた家族それぞれの状況、集団生活/教育現場での状況、居住地域にある医療資源などを見据えた広い視点で医療を提供しますすることを目指します。必要時には、各分野の専門家と連携をとりつつ、病気のこと以外の総合的な視点も忘れないように診療を進めています。

免疫アレルギー

メンバー

  • 冠城 祥子 (助教)
  • 伊藤 環  (助教)
  • 杉本 龍之介(助教)
  • 明石 真幸 (非常勤講師)
  • 森田 久美子(非常勤講師)

対象疾患

食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、薬物アレルギーなど

患者さんとご家族のかたへ

外来では、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎など小児期のアレルギー疾患を包括的に診療しています。病棟では、食物経口負荷試験を通じて、その後の食事指導を積極的に行っています。またアレルギーの関与が疑われる皮膚病変の対応、薬物アレルギーの評価などについて、アレルギー患者を様々な診療科が連携して診療する慶應アレルギーセンターの一員として対応にあたっています。近年増加している食物蛋白誘発胃腸炎についても、食物経口負荷試験の実施を含め多数の症例を診療しています。

急性期集中治療

メンバー

  • 冨田 健太朗(助教)
  • 野崎 翔太郎(助教)
  • 小岩 征史 (助教)
  • 水野 泰昭 (助教)

対象疾患

主要臓器(呼吸・循環・神経等)の機能不全による重症病態を対象としています。原因疾患や、内因性・外因性は問いません。

例)高侵襲手術の術後、呼吸不全、循環不全、意識障害やけいれん重積、重症外傷、中毒、溺水、異物誤嚥・誤飲など

患者さんとご家族のかたへ

小児病棟に併設された小児ICU(集中治療室)において、専従医師4名の体制で診療を行っています。小児ICUでは、呼吸・循環管理(人工呼吸療法やECMOを含む)、水電解質管理(腎代替療法を含む)、神経学的管理などの集中治療を、他の診療科や診療グループと協力しながら24時間体制で実施しています。

また、小児病棟における重症化症例や急変症例に対しても積極的に関与しています。特に、院内急変迅速対応システム(rapid response system)の構築および運営に中心的役割を果たすことで、小児患者の予後改善に努めています。